通常、(球状マッピングを用いて)矩形画像を球体に貼り付けると、両極に近づくにつれ顕著な歪みが発生してしまいます。この例では、オリジナルの画像と比較すると、女の子の顔が細くなってしまっていることが見て分かると思います。
今回の技術を用いて球面に貼りこんだ場合は、オリジナルの画像と比較した際に、ほとんど歪みが生じていないことが分かるかと思います。変換を行わなかったものと比較すると、その差は顕著です。
他の例で見てみます。以下は有名なアインシュタインが舌を出した写真です。
普通にこの画像を球体表面に貼りこんだ場合、以下の画像のように、あごのあたりが細く歪んでしまっています。
今回の技術を用いて変形させた場合は、あごの部分がオリジナル画像と比べて歪んでいないことが、見て分かるかと思います。
BeagleBall Technology の最大の特徴は、球面展開図に対する入力データが、短形画像であることです。もちろん、短形画像である正距円筒写真に関しては、これまでも多くのソフトウェアで、球面展開図に変換することが可能でした。ですが、BeagleBall Technology で扱うことのできる短形画像は正距円筒写真に限定されず、より一般の写真画像などを用いることができます。
BeagleBall Technology では、重要なオブジェクトの情報・形状を維持したまま、重要度の低い部分を間引きすることで、球面展開図に変換します。重要度の算出には基本的には顕著性などを利用しますが、企業ロゴなど歪ませたくない部分を手動でマークすれば、より求めるイメージに近付けた演算を行うことが可能です
BeagleBall Technology の応用可能性としては、例えば、アドバルーン製作の際に利用できる可能性が挙げられます。
従来、特撮映画のキャラクターなどをアドバルーンに描こうとした場合、アドバルーンの赤道付近に写真を印刷するか、写真を参考にしながらアドバルーンに直接手作業で描くか、などが挙げられました。
今回のBeagleBall Technology を用いた場合、写真の貼り込みに関しては、特撮キャラクターの画像を天地に近い領域まで貼り込むことが可能になるため、キャラクターがより大きく印刷でき、よりインパクトのある宣伝広告のアドバルーンを製作することができるようになります。
手描きで行っていたケースに関しては、エアブラシによる手作業ではアドバルーンの量産を行うことはやはり難しかったと考えられます。BeagleBall Technology により、手書きという手法から、型紙・版下を作成しインクジェット印刷やシルク印刷を行う手法に移行することが可能になるため、アドバルーンを増産する際にかかるコストを大きく減らすことができます
印刷・縫製して作成するアドバルーン・インフレータブルバルーンの場合、実際に作った際に、バルーンの上部・下部でどのくらいの歪みが発生するのか、どうしても気になると思います。
弊社では、実際の展開図計算をする前に、お客様の手元のパソコン上で、あらかじめ、バルーンの完成予想図のWEBプレビューをご確認いただいております。
プレビュー画面を見て、配置・サイズを調整したいと感じられましたら、弊社にてご納得のいくよう調整可能です。
企画段階からのご相談でも、WEBプレビューを作成することは可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。