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映画「清須会議」で用いられた古地図の地球儀(古地球儀)の作製

映画「清須会議」をご覧になられた方は、織田信長の弟である織田三十郎信包の部屋に、大きな地球儀があったことを覚えていらっしゃいますか。

あの地球儀は16世紀の地図製作者 アブラハム・オルテリウス が編集し1570年に出版された「Theatrum Orbis Terrarum」(世界の舞台) (1570) に掲載されている世界地図を、弊社にて球体展開図に加工して製作された地球儀です。

Theatrum Orbis Terrarum (pronounced [tʰɛˈaːtrʊm ˈɔrbɪs tɛˈrːaːrʊm], "Theatre of the World") is considered to be the first true modern atlas. Written by Abraham Ortelius and originally printed on May 20, 1570, in Antwerp.

この世界地図は、一見、よく見慣れているモルワイデ図法に似ていると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、モルワイデ図法の外周は楕円であり、これは「擬楕円図法」(hyperelliptical)という投映法の部類に入るのではないでしょうか。

擬楕円図法に関しては、1973年にW. R. TOBLER氏が発表した論文「The Hyperelliptical and Other New Pseudo Cylindrical Equal Area Map Projections」 に詳しいですが、この論文で述べられている擬楕円図法とも、このオルテリウスの地図は異なる投映法のようです。

弊社では、以下の式を用いることで、地球儀展開図としては遜色のない程度まで、オルテリウスの使用した図法から正距円筒図法へ変換しています。

Y = y

X = x*(sin(x/2)^2*(1-cos(y*3/4))+cos(y*3/4))*(1+abs(cos(asin(abs(2*y/PI)))))/2

この式を用いることで、無事に、地球儀の型紙を製作することが可能となりました。地球儀は以下のようなものになります。